熱海の奥座敷 和の意匠を凝らした宿
小嵐亭の名は、東宮大夫として皇太子の教育主任も務めた曽我祐準(そがすけのり)子爵が、小嵐町の景観や風土をお気に召され、明治29年に建立した別荘「小嵐亭」に由来します。
当時は皇室の方々や文人墨客が来訪し風雅なるひとときを過ごしたと伝えられています。
「料亭旅館 熱海 小嵐亭」の建設にあたっては、かつての小嵐亭の情緒をできるだけ再現し、離れや庭園との調和をはかり、木のぬくもりを大切にいたしました。
木材を生かした数寄屋造り、木造建築の離れには、天井や床の間に銘木をふんだに使用し、職人の技術の粋を集めています。
静謐な佇まい、日本庭園とともに和の趣を感じながらお寛ぎください。
第4回日本建築士連合会賞を受賞(設計・施工 株式会社佐藤秀)
日本庭園
敷地内に広がる日本庭園は、造園界で名高い斎藤一夫博士に監修されました。
樹種は赤松、黒松、紅葉、椿、椎など約70種類で、幾多の四季に磨かれてきました。。
飛石、築山、枯流を巧みに配し楚々とした竹林をあしらい、古池には和田川のせせらぎが集まります。
自然との調和がとれた演出、そして本館と庭園を結ぶ石造りの散策路もまた、和の風情を豊かに感じさせてくれます。
茶室 行庵
四畳半本勝手の正規の茶室と小間の茶室がございます。
床柱は北山杉の天然絞りをあしらい、茶人に珍重されたタモの茶床、屋久杉の水屋の天井など、先人の侘びのこころがよみがえるようです。
北山杉は室町時代頃からつくり始められたといわれ、茶の湯の流行に伴い、茶室や数寄屋の建築材として用いられるようになりました。北山杉を使った数寄屋造りには、桂離宮や修学院離宮がございます。木肌が滑らかで光沢や模様、絞りを楽しむもので、「京都府伝統工芸品」の指定を受けています。北山杉の天然絞り丸太は、木肌に自然にコブ状・波状の凹凸(絞り)ができたもので、様々な表情が見られます。数万本に一本という割合で、杉の突然変異によるものと言われます。建築材として利用できるまでには、植林から約30年かけて丹精込めて育てられます。
茶席の三畳台目にある床板は、旧小嵐亭に使われていた曽我家伝来のタモのクモ材を残しています。タモは木目の美しさに定評があり、「白木の女王」と呼ばれます。